楽天モバイルの「楽天リンク(Rakuten Link)」は、国内通話が無料で利用できる楽天モバイルの画期的なサービスです。
しかし、「なぜ無料なの?」「本当にずっと無料?」と疑問に思う方も多いでしょう。
結論からお伝えすると、楽天リンクが通話料を無料にできる最大の理由は、従来の音声専用回線ではなくデータ通信を利用しているためです。
この記事では、楽天リンクが無料で提供できる理由や技術的な仕組み、LINE通話との違いや利用時の注意点まで、最新情報をもとに詳しく解説します。
楽天リンクの仕組みを正しく理解することで、安心してサービスを活用できるようになります。
目次
楽天リンクはなぜ無料?|基本的な仕組みを解説

楽天リンクが通話料を無料にできる最大の理由は、従来の音声専用回線ではなくデータ通信を利用しているためです。
従来の通話サービスとの違い
従来の通話サービスでは、発信者と受信者を1本の専用音声回線でつなぎ、リアルタイムで音声データがやり取りされます。
この仕組みは安定した通話品質を実現する反面、専用回線を占有するためにコストが発生し、通話時間に応じて料金がかかるのが一般的でした。
一方、楽天リンクはRCS(Rich Communication Services)技術を採用し、音声データをパケットとして既存のデータ通信回線で送受信します。
専用の音声回線を占有せず、モバイルデータ通信やWi-Fiを活用するため、通話時間に関わらず通話料が発生しません。
楽天モバイルの戦略的投資
楽天リンクの無料提供は、楽天モバイルの戦略的な投資でもあります。
後発キャリアとして大手3社と競争するため、「無料通話」という強力な差別化要素で顧客獲得を図っています。
さらに、楽天モバイル独自の通信インフラを使用することで、外部への回線使用料を削減し、無料提供を実現しています。
短期的にはコストを負担していますが、長期的な契約者増加により投資を回収する仕組みです。
RCS技術の採用
楽天リンクは、RCS(Rich Communication Services)という国際標準の通信規格を採用しています。
RCSは電話番号をベースとした通信サービスで、楽天モバイル契約者であれば既存の楽天IDを使用してすぐに利用開始できます。
楽天リンクとLINEとの違い
楽天リンクとLINEの無料通話機能は、どちらも通話料が無料という点では共通していますが、技術的な仕組みや利用方法に大きな違いがあります。
通話相手の制限
楽天リンクは、通話相手が楽天リンクを使用していなくても、普通の電話番号があれば無料で通話できます。
固定電話や他社キャリアのスマートフォンにも発信可能です。
LINEの場合、基本的に双方がLINEアプリをインストールし、友だち登録している必要があります。
電話番号の表示
楽天リンクから発信した通話では、相手の画面に自分の電話番号が表示されます。これにより、相手は通常の電話と同様に認識できます。
LINEの無料通話では、電話番号ではなくLINE上の表示名が相手に表示されます。
技術的な仕組み
楽天リンクはRCS技術を使用し、電話番号ベースの通信を行います。
一方、LINEはインターネット上のアカウントベースの通信システムを採用しています。
アカウント要件
楽天リンクは楽天モバイル契約者のみが利用でき、楽天IDでのログインが必要です。
LINEは誰でも無料でアカウントを作成して利用できます。
楽天リンクの特徴
楽天リンクは、単なる無料通話アプリではなく、楽天モバイルユーザー専用の多機能コミュニケーションツールです。
従来の通話アプリとは異なる独自の技術と豊富な機能により、通信費の大幅な削減と利便性の向上を同時に実現しています。
RCS技術を基盤としたデータ通信方式により、時間制限なしの無料通話を提供しながら、SMS機能、ポイント獲得機能など、楽天経済圏と連携した付加価値の高いサービスを展開しています。
ここでは、楽天リンクが持つ主要な特徴について詳しく解説します。
無料通話の範囲
楽天リンクでは、以下の通話が無料で利用できます。
- 国内の固定電話への発信
- 他社携帯電話への発信
- 楽天モバイル同士の通話
- 海外対象国・地域からの日本国内への発信
時間制限もなく、24時間いつでも無料で通話可能です。
SMS機能
Android版では、国内SMS(ショートメッセージ)の送受信も無料で利用できます。
通常、SMSは1通3円程度の料金がかかりますが、楽天リンクを使用すれば無料です。
ただし、iPhone版ではSMS機能に一部制限があります。
楽天ポイント機能
楽天リンクアプリ内には、楽天ポイントを獲得できる機能も搭載されています。
広告視聴やミッション達成により、楽天ポイントを貯めることができます。
楽天リンクで通話料が発生するケース
楽天リンクは多くの通話で無料を実現していますが、すべての電話番号が無料対象ではありません。
以下の場合は通話料が発生します。
無料対象外の電話番号
楽天リンクから発信しても有料となる主な電話番号は以下の通りです。
楽天リンクで(0570)などから始まる他社接続サービス、一部特番(188)へ発信する場合、自動でOS標準の電話アプリに切り替わり、有料となります。
主な特番通話 | 番号 |
---|---|
災害伝言ダイアル | 171 |
消費者ホットライン | 188 |
特定者向け情報の蓄積・再生【留守番電話】 | 1417 |
発信者番号非通知設定 | 147 |
発信者番号非通知設定解除 | 148 |
ナビダイヤル(統一番号用電話番号) | 0570からはじまる電話番号 |
総務省消防庁(救急安心センター事業) | #7119 |
厚生労働省 子ども医療電話相談事業 | #8000 |
DV相談ナビ | #8008 |
公益財団法人 日本道路交通情報センター | #8011 |
安全運転相談電話 | #8080 |
JAF ロードサービス救援コール | #8139 |
厚生労働省 女性相談支援センター等共通短縮ダイヤル | #8778 |
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター全国共通短縮番号 | #8891 |
警察相談専用電話 | #9110 |
楽天リンクアプリ未使用時の発信
楽天リンクアプリからではなく、標準の電話アプリから発信した場合は、通常の通話料金(30秒22円)が発生します。
スマホの連絡先を使った発信や、着信の折り返しをかける場合などに標準アプリを利用しがちですので、注意が必要です。
以下の場合、着信履歴は楽天リンクではなくOS標準の電話アプリに残ります。
- 楽天リンクからログアウトしている場合
- iOS製品を利用中で楽天リンクを利用していない相手から着信する場合
ログアウト状態での着信
楽天リンクからログアウトしている状態で着信があった場合、標準アプリでの着信となり、折り返し通話時に料金が発生する可能性があります。
アプリのバージョンアップ後などに、アプリからログアウトする可能性があるので、ログインした状態になっているか確認しましょう。
楽天リンクの使い方
楽天リンクを効果的に活用するための基本的な使い方を解説します。
初期設定手順
- アプリのダウンロード:
Google PlayまたはApp Storeから「Rakuten Link」をインストール - 楽天IDでログイン
楽天モバイル契約に紐づく楽天IDを使用 - 電話番号認証
SMSによる認証コードの入力 - アカウント情報入力
「完了」をタップ
通話の発信方法
楽天リンクから通話を発信する方法は複数あります。
- アプリ内ダイヤル
楽天リンクアプリを開いて番号を入力 - 連絡先から発信
アプリ内の連絡先一覧から選択 - 通話履歴から発信
過去の通話履歴から再発信
設定の確認事項
楽天リンクを快適に利用するためには、定期的な設定確認が欠かせません。
特に重要なのは、ログイン状態と通話アプリの設定です。
これらが正しく設定されていないと、着信を逃したり、意図せず通話料が発生したりする可能性があります。
- ログイン状態
アプリを開いてログイン状態を確認 - 通話アプリの設定
デフォルトの通話アプリが楽天リンクに設定されているか - 通知設定
着信通知が有効になっているか
トラブル時の対処法
楽天リンクを使用していると、通話が繋がらない、音声が聞こえない、着信できないなどのトラブルが発生することがあります。
多くの場合、簡単な操作で解決できるため、慌てずに以下の手順を試してみましょう。
- アプリの再起動
楽天リンクアプリを一度終了して再起動 - ログイン状態の確認
必要に応じて再ログイン - ネットワーク接続の確認
Wi-Fiまたはモバイルデータの接続状態をチェック - アプリの更新
最新バージョンにアップデート
楽天リンクの注意点
楽天リンクを使用する際に注意すべき重要なポイントを説明します。
ログイン状態の管理
楽天リンクで最も重要な注意点は、ログイン状態の維持です。
ログアウトしている状態では着信を受けることができません。
以下の場合にログアウトする可能性があります。
- アプリのバージョンアップ後
- スマートフォンの再起動後
- 長期間アプリを使用していない場合
- システムの不具合
定期的にアプリを開いてログイン状態を確認することが重要です。
iPhone版の制限事項
iPhone版の楽天リンクには、Android版と異なる制限があります。
- SMS送受信
利用不可(標準のメッセージアプリを使用、送信:3円/通) - 着信時の動作
一部の着信が標準電話アプリで処理される - 発信履歴
楽天リンクと標準アプリで履歴が分散する可能性
通話品質の変動
楽天リンクはデータ通信を利用するため、通信環境により通話品質が変動します。
- 電波が弱い場所
音声が途切れやすい - 混雑時間帯
遅延や音声の劣化が発生する可能性 - 地下や建物内
接続が不安定になりやすい
重要な通話の際は、通信環境の良い場所での利用を心がけましょう。
海外での利用制限
海外では以下の制限があります。
- 対象国・地域以外では着信できない
- iPhone利用で、相手が楽天リンクを利用していない場合、海外では楽天リンクアプリでは着信できない。(iOS標準の電話アプリでの着信となる)
- 日本国内への発信
対象国・地域から無料 - 海外から海外への発信
国、地域別従量課金
対象国・地域は、海外ローミング|対応エリア・料金で確認できます。
楽天リンクのデメリット
楽天リンクは、国内通話無料という大きな利点がある反面、通話品質の不安定性や利用条件の制約など、利用前に理解しておくべきデメリットもあります。
これらのデメリットを事前に把握することで、楽天リンクをより効果的に活用し、予期しないトラブルを避けることができます。
通話品質の不安定性
データ通信を利用する性質上、従来の音声通話と比較して品質が不安定になる場合があります。
- 音声の遅延
会話にタイムラグが生じる - 音声の途切れ
電波状況により音声が断続的になる - 雑音の混入
通信環境により雑音が入る可能性
着信拒否機能の未対応
楽天リンクには着信拒否機能が搭載されていません。
迷惑電話や営業電話をブロックすることができないため、不要な着信を避けることができません。
バッテリー消費
楽天リンクは常時バックグラウンドで動作するため、バッテリーの消費量が増加する傾向があります。
特に着信待機状態を維持するため、通常の電話アプリよりも電力を消費します。

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まとめ|楽天リンクの仕組みを理解して賢く活用しよう
楽天リンクが無料で利用できる理由は、従来の音声専用回線を使用せず、インターネット回線を通じて音声データを送受信することで、通話料の発生を回避しているためです。
楽天リンクの主要なメリットは以下の通りです。
- 国内通話とSMSが時間制限なく無料
- 相手がアプリを使用していなくても通話可能
- Wi-Fi環境でも利用可能
一方で、以下のような注意点も存在します。
- 通話品質の不安定性
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